The Holy of Holies

ひたすら自分に優しい日記

来年の大河「天地人」は、火坂雅志先生の小説が原作です。
この小説、こちらの地方新聞でも連載されていて、当時はあまり読んでいませんでした。
挿し絵がいかにも古式ゆかしいものだったので、読む前にイメージが「カビ臭い時代小説」というものに設定されてしまったからであります。本当に失礼なことであります。

で、大河に決定してから改めて読んで見たのですが、これがとても面白かったのでした。
もちろん、私個人にとってはでございまする他の方にとっては「どうなのよ」かもしれませんので、その点はご容赦ください(TДT)
たいして読解力も知識もないボーッとした人間が読んでも、とてもわかりやすく、ぐいぐい引き込まれてしまいました。
ちょっと意外というか(本当に失礼・・・)、胸が熱くなってしまいました。
これは自分が住む土地が半分くらい舞台になっているので、どうしても贔屓目に受け取ってしまうということもあるのでしょう。
原作者の火坂先生もニイガタ出身なので、このぼんやりした県と県民を、どうにかして美化しようと、これでもかというくらいに盛り立てて書いているのですね。
先生、そこまでよいしょこらしょどっこいしょしなくても・・・、とドン引きになるくらい、越後の風土と県民性を褒め称えていて、はっきりいって偽造捏造状態です。
原作を読まれた方がいらっしゃいましたら、県民関係の箇所は嘘八百、理想化美化200%ですので、誤解のないように・・・

大変面白かった原作ですが、歴史ものとしては「?」となるのでは・・・
この本の登場人物は、あくまで歴史上の人物の名を借りた、火坂先生のオリジナルキャラと捉えるべきです。
歴史小説ではなく時代小説として読むべきもので、時代小説としてはほんとに面白いのであります。
史実と照らし合わせると「ふざけるな」ということになってしまうのでした。

それとですね、主人公の直江兼続でありますが、景勝との主従関係より、妻女のお舟の方との夫婦愛のほうがどちらかというとメインになっているのですね。
加えて出てくる美女が片っ端から兼続ラーヴになってしまって、いやそれはそれで面白いのですが、読み終わってみると「そんなバナナ」という感想が押し寄せてくるのでした。

夫婦愛もよし。女にモテモテくんもよし。
だがこの虚しさはなんだろう。

そんな方にお奨めなのが、藤沢周平先生の「密謀」であります。
兼続の小説といえば、この「密謀」。
歴史ファンの間では、どうせなら「密謀」を原作にすれば良かったのにという声が上がっていた模様。

こちらの小説は読み応えがあります。いろんな意味で。
まずお舟の方を邪魔者扱いして、ほとんど出てこないところが素晴らしい。
夫婦愛など微塵もありません。清々しいです。
夫婦愛が出てこない変わりに、景勝との主従関係がしっかり描かれています。
三成とのプラトニックラヴも出てきます。
「天地人」の兼続がジャンプ系みたいな熱い男だったのに対して、「密謀」の兼続は冷徹な知将といった印象で、その対比が面白いです。

ちなみに「天地人」がどちらかというと幸村との愛と義をメインに描いているのに対し(幸村が西軍に味方したのは兼続を愛してしまい、兼続から義のココロを学んでしまったからだそうですよ。兼続、恐ろしい子!)、「密謀」は三成との愛と義を描いています。
つまり両方読めば楽しい(妄想の)世界が広がるといわけです。

そしてその両方読んだ(妄想の)ワンダフルワールドを描いてくれるのが、大河ドラマ「天地人」・・・のような気がするのですが、どうなのでしょうか。
予告を見ただけで、あの主従愛にどうしましょう状態です。
いろいろと(勝手に)楽しみです。



天地人〈上〉天の巻天地人〈上〉天の巻
(2008/11)
火坂 雅志

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ソフトカバーの新装判が出ました。
こちらは三部作となっています。(〈中〉地の巻〈下〉人の巻)
全巻併せて2時間もあれば読み終わります。




密謀 (上巻) (新潮文庫)密謀 (上巻) (新潮文庫)
(1985/09)
藤沢 周平

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「密謀」は現在、文庫で上下巻となっています。
下巻はこちら
この本は面白かったな〜。
まぁ藤沢周平なので、はずれはないのですけど。


両方とも無口な景勝(史実らしい)をなんとか名君に仕立てようと努力しているところが涙を誘います。
さすがにバカ殿とは書けなかったらしい・・・












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