The Holy of Holies

ひたすら自分に優しい日記

今日もとうらぶ関連になりそうです。お許し下さい。


刀剣乱舞では、同じ刀剣が複数手に入ります。
戦闘でドロップしたり、鍛刀でお迎えするわけですが、たとえば私の場合ですと、大倶利伽羅が40振り以上来たりするわけです。
同じキャラが何人もいるという現象になるわけでして、刀と割り切って、片っ端から分解であるところの刀解をして資源にしたり、他の刀剣のステータスを上げるために練結の材料にしたりします。

ただどの刀剣も、刀剣男士という設定ですから、肉体を持っていて、同じようにしゃべり、同じように反応するわけです。
本体+クローンと似たような感覚が無くもありません。
シリアスな妄想をすると、ある刀剣が本丸に現れたとき、その刀剣が二振りめだった場合、いろいろなことが考えられます。(一振り目は折れて昇天してしまっているという設定)
二次創作でときどきこういう作品を拝見して、とても切なくなっています。
大抵この場合、本丸に来る前の記憶は共有しているけれど、本丸に来てからの記憶はないことが多く、一振りめの刀と、今現在の自分とのギャップが生じ、親しかった相手(ぶっちゃけ恋人な)もさまざまな反応をします。
恋人にとっても一振りめと二振りめはまったくの別人で、自分が好きだったのは折れてしまった一振りめで、二振りめではないと悩んだり、二振りめがその恋人に惹かれた場合も、自分はその人が好きだった一振りめではないと、こちらも悩んだりと、ずぶずぶの切なさが爆発しているのでした。いや~ん。

この複数刀剣が来ることによって起こる現象に気づいたとき、私が真っ先に思い出したのは、かの萩尾望都先生の御作品『A-A'』です。
少し前の作品ですが、一角獣種シリーズの大傑作です。

ご存じではない方のほうが少ないとは思うのですが、ネタばれ全開であらすじを書きますと・・・(本当にネタばれですのでご注意くださいませ)


クローン技術が確立された近未来。
人類は地球をベースに宇宙へと活動の場を広げています。
物語はアデラド・リーという16歳の女性が夢を見て涙を流し、目覚めるところから始まります。
彼女はアデラドのクローンでした。

本体はコンピュータ技師で、1ヶ月前、プロキマ第5惑星ムンゼルで事故に巻き込まれ死亡したといいます。
3年前プロキマ計画のスタッフに選ばれたとき、万が一に備えてスタッフは全員地球を発つ際クローンを作成、冷凍保存していました。
本体が死亡したため、アデラドのクローンが解凍されたのです。
クローンが作られてから3年が経っていました。
肉体の解凍と同時に記憶が注入されるのですが、これはクローン作成時までの記憶です。
つまりクローンと本体のあいだには3年の空白があることになります。

アデラドはさっそく勤務地である氷の惑星ムンゼルへ移動します。
大喜びで出迎えるスタッフたち。死亡したはずの仲間とまた再会できたわけですから、スタッフたちは大歓迎します。
しかしアデラドにとっては初めて会うわけで、懐かしそうに歓迎するスタッフたちに「はじめまして」と機械的に挨拶をします。
「はじめまして」と挨拶をした中に、アデラドの恋人だったレグ・ボーンもいました。

アデラドは一角獣種でした。
赤いたてがみが特徴の、人工の変異種です。
この時代ではごくたまに隔世遺伝で現れる、珍しい種でした。
感情をほとんど表さず、話し方も一本調子です。
視聴覚範囲が人間とずれているため、五感の感覚が人間と違い、さらに反射神経と注意力が低く、しょっちゅう躓いたりしているのですが、本人にその自覚がなく、ますますコミュニケーションの壁を作っています。
また自分自身の肉体や感情の認識が低いことも、感情表現を希薄にしているのでした。
自分自身の感情もわからないため、他人の感情についても察することができません。
それもそのはずで、一角獣種はコンピュータを操るために開発された種であり、もともと感情が希薄なように作られていたのでした。(感情がなければミスがないという理由から)
混血を繰り返してきたとはいえ、アデラドは一角獣種の特徴を継承しており、自分の感情に疎く、まして表現するということは考えも及ばないことでした。

アデラドは生前と同じく(おかしな表現ですが)任務につきます。
その人形のような機械的な態度に、再会したスタッフたちは戸惑いを覚えます。
3年という時間はアデラドに変化をもたらしており、人間らしい感情表現を覚え、仲間たちのチームワークに入っていたのでした。
なぜ彼女が変わったかといえば、レグ・ボーンとの出会いが大きかったといえます。
他人と感情表現が違うアデラドを、レグだけは理解し、惹かれあい、やがて2人は愛し合うようになりました。
レグとの関係がアデラドにさまざまな感情を気づかせ、他人とも関わり合いを持つようになっていったらしいのです。

しかしクローンであるアデラドは、本体と同じ反応を求めてくるスタッフの思考が理解不能であり、本体も理解不能であり、本体の面影を自分に見ようとするレグも理解できません。
自分はクローンなのに、なぜ本体のアデラドと同じように考えるのだろう。
レグの恋人は本体のアデラドなのであって、自分ではない、と機械的に結論づけてしまいます。

レグも自分の恋人は亡くなったアデラドだと思おうとするのですが、クローンとはいえ同じアデラドが目の前にいるわけです。
レグは複雑な思いを抱えて悩みます。
アデラドと過ごした3年間の2人だけの記憶は、今いるアデラドとの記憶ではないことを思い知り、彼女であって彼女ではないことを十分承知しながら、3年間自分と過ごした彼女をクローンのアデラドに求めてしまうのでした。
そうしたレグの複雑な思いも、アデラドはわからない。

レグにとってクローンだろうが同じ姿形をしているアデラドは、彼が愛した女性にほかなりません。
「アディ」とレグはアデラドに話しかけます。
「オレはきみから黒馬(ポニー)の話を聞いたことがある
きみのきずに……
くちづけしたこともある
いろんな話をした
オレたちは――愛しあってた
きみを愛している」
しかしアデラドは「あなたは混乱している」と否定します。

一角獣種のアデラドにとって、唯一の友達だったのが、子供のころに出会った毛深(けぶか)の黒馬(ポニー)でした。
黒馬は彼女が11歳のときクレバスに落ちて死んでしまいます。
一緒に落ちたアデラドは助かりますが大ケガをして傷跡が残りました。
悲しいけれど1番大切な思い出であり、自分1人の胸にしまっておいた思い出でもありました。
クローンとして解凍されたとき泣いていたのは、この記憶を思い出したからです。
黒馬と遊んだ日々は、それほど大切なものでした。

レグにとってはアデラドは、本体もクローンも同じ人間として映っているのですが、アデラドにとっては本体は自分ではなく他人です。
本体が何をしていようが関係ありません。
自分はまだ誰にも黒馬の思い出を話したことがない。だから、
「わたしはあなたになんの話をしたこともない」
と否定します。
レグがくちづけたという傷も、クローンであるアデラドには遺伝子情報がないため再生されていません。
アデラドはますます自分はクローンであり、本体とは別人だという自覚を深め、レグは時間を経るごとに、本体とクローンを同一視しようとします。

レグはさらに話します。
「アディ 考えたんだ
きょうはだめでも明日には愛せるかもしれない
そうしたらまたそのときから思い出をつくっていけばいい……」

そんな日々の中、調査で外に出たとき、アデラドとレグは誤って氷の谷に落ちてしまいます。
そこで2人は、氷漬けになっているアデラド本体の遺体を見つけるのでした。

レグは自分が愛したアデラドを見つけ、転属願いを出して、他の星へ旅立つ決意をします。
アデラドは引き留めませんでした。
レグが愛していたのは自分ではなく、氷漬けになっていたアデラドだからです。

レグが転属していったある日、惑星トリマンのコロニー・Aが爆発したとの連絡が入ります。
そこはレグの転属先であり、爆発に巻き込まれて死亡したという報告がもたらされるのでした。

レグの死亡はアデラドにショックを与えます。
しかし感情表現をしない彼女の変化に周りは気づきません。
彼女が吐き気による拒食症にかかっていたと気づくのは、発病してからかなりたってからのことでした。

基地の医務室で入院しているアデラドを同僚の女性、ジェルミが見舞いに訪れます。
以前も同じようなことがあり、亡くなったレグがまず最初に異変に気づいたのだと語ります。
それからスタッフたちも、アデラドにも普通の人間と同じく感情があり、それを表していないだけだとわかったのだと。

「アディ、レグは帰ってくるのよ」

ジェルミが伝えます。
レグのクローンが、ここに帰ってくるのだと。
アデラドのときと同じように。
3年前に保存した彼のクローンが帰ってくる。

アデラドは、生前のレグが語りかけた言葉を思い出します。
『でも、あしたには愛せるかもしれない 思い出はあした作ればいい』
『…きみといると しみいるようにわかってくることがあるのだ』

吹雪の日、レグ・ボーンのクローンがムンゼルの基地に到着します。
会ったときより3歳若いレグ・ボーンが基地に入ってきました。
アデラドは彼を見たとたん、静かに涙を流すのです。
そしてこう胸の中で語りかけます。

黒馬の話をしたい この人に
長い長いあいだ
わたしが待っていた
あなただけに
語りたい物語がある


こういう話です。
アオオーン、わしの拙い文章では作品の素晴らしさがほとんど伝えられないのですが、クローンとは、というテーマで1番好きな作品です。
この作品が描かれたのは1981年。今から34年前。
これが名作の持つ力ってやつなのでしょうか。
わたくし、刀剣男士に置き換えて、勝手に涙しているのですが、この設定もストーリーもまったく褪せることなく、感動の波が押し寄せるとは、天才の作品、凄まじいですな・・・
私はとうらぶではこの手の話は切なすぎて手が出せないのですが、読むのは大好きなので、ロムオンリーで楽しませていただこうと思います。
どなたかこのA-A'の設定で描いてくれないものでしょうか。

萩尾先生の一角獣種のお話では『X+Y』がとても好きです。
こういう両性具有サイコー!! イエー!!!
しかしこの作品も1984年発表ですってよ。
天才ってやつは30年先を突っ走ってるのか・・・・

この記事を書くためにA-A'や他の一角獣種シリーズを読み返しまして、改めて萩尾先生の素晴らしさにため息をつきまくっています。
そして再び両性具有萌えモードに・・・今のところはならない。よかった。

というわけで、名作『A-A'』のご紹介でした。


ところで「剣には相手がある」の記事で、引用した血風録の一文があれば他はいらないということを書きましたが、あれは自分の中のとうらぶイメージ設定みたいなものがあの一文ですべて足りるという意味でございます。
けっして二次創作のことではございません。むしろいろいろな作家の方が描かれるとうらぶの世界は私にとってなくてはならないものになっております。もし不愉快な思いをされた方がおられましたら、どうかお許し下さい。
今は記事を直してあります。ここに訂正してお詫びいたします。


以下は拍手御礼です。
いつもお心遣いをありがとうございます。゚(゚´Д`゚)゚

 
 
 
 
 
 
10月21日
1拍手

10月22日
2拍手

すべて「いやいや驚いた」に頂戴いたしました。

いつも思うのですが、こんな記事にも愛の手を差し伸べてくださって、本当に感謝しております(。pω-。)
しかしセーラー服・・・
ネタ的にはいいのですが、ねぇ。
そしてすぐ刀剣男士に着せようとする我が輩の腐りよよう。
こんなやつがファンをしていてはヤクルトにもジャパンにも申し訳ないです。
でも妄想は止まらない。いずれ一期に刀解されますな。

拍手をありがとうございました。
嬉しくて、じわっとなっていました(T.T)


ここからは頂戴したコメントへの御礼でございます。

まつやま様
まつやまさん、いつもありがとうございます!
動画、見ました!! チョー受けました!!!
私、知らなかったので、ただ今感動の大波にさらわれております・・・
九州、素晴らすぃ。゚(゚´Д`゚)゚ 
刀剣乱舞でも黒田家と細川家所有の刀が最近お気に入りなので、ますます九州が大好きになりました。
「ツィゴイネルワイゼン」、大好きです(´;ω;`) ああ、まつやまさん・・・どうして私たちの家は離れすぎているのでしょうか・・・
今度、宝くじが6億当たることになっているので(いつかはわからない。その前に買わなくてはならぬ)、当たったらそちらに引っ越します。
ホモ・・・ホモは大切ですよね。私にとって物事の判別はホモかホモでないかですよ。
バルザックがイチ押しなのですね。ラジャー。読んで見ます。『人間喜劇』群とか読んでみたいと思いながら手を出せなかったので、これを機会に挑戦しますね。
今書いている小話は刀剣乱舞なのですが、それでは書き上がったらご連絡いたしますね。読みたいって言ってくださって、と申しますか、お気遣いが本当にありがたく嬉しかったです(>ω<、)
そしていよいよ日本シリーズですね。楽しみです!


皆さま、ありがとうございました。
心より御礼申し上げます。

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