The Holy of Holies

ひたすら自分に優しい日記

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NHKのドラマ「ロング・グッドバイ」を見ています。
主役の浅野忠信が格好よすぎます。
ヒロインは綾野剛。
・・・そういうドラマですよね?(;゚ω゚)

原作の小説、チャンドラーの「The Long Goodbye」は一時呆けたように読んでいた小説です。
好きすぎてABCしか理解できないのにペーパーブックまで買ってしまいました。(「Farewell, My Lovely」も一緒に買った)
もちろん読めるわけもなく、せめてアルファベットだけでも眺めようとページを開けば、即座に猛烈な眠気もしくは頭痛が襲ってくるという呪文の書でしかなかったのですが、厚顔無恥なわたくしは持っているだけでなんとなく賢くなった錯覚を覚えていたという微笑ましい黒い記憶があります(⊙◞౪◟⊙)

ドラマはどちらかというとハルキの翻訳寄りなのでしょうか。
ハルキの訳もいいけれど、やっぱり清水俊二訳のほうが私は好みです。
なんといってもタイトルがいい。
「長いお別れ」に「さらば愛しき女よ」ですよ。
泣けるほど格好いい。
訳も硬質で、50年代の雑多で猥雑でスマートで上品なアメリカを、文学が香るパッキリとした端正な文体で描いたチャンドラーの世界を、昔の日本語のような品と的確さとコクとキレで表現してある。ような気がする。

ハルキの訳は1粒で3度おいしいです。
翻訳として楽しめるし、村上作品として、また翻訳者としての日本語のチョイスも楽しめるし、原文と他の翻訳者との違いも楽しめる。
ですからハルキ訳は清水訳や双葉訳と原文を片手に読むのが最大限に楽しめる読み方だと思われます。

ドラマのほうは、これがまた原作をうまく50年代の日本に移してあって、画面の密度の高さといったら、まるで映画を見ているようです。
演出がハゲタカや外事警察の方で、スタッフも外事警察の方たちとのことで、シーンごとのこれでもかという作り込みに納得しました。
受信料が正しく使われている模様。

始めにも書きましたが、浅野忠信、格好いいですね。
何をしても格好いい。
マーロウに見えるかというと、申し訳ないが私はまったくの別ものだと感じるのですが、それにしても絵になりますね(T.T)
一方、綾野剛はビミョー。
テリー・レノックスにしては若くて薄っぺらすぎると思うのね。
この役は、私は長谷川博己あたりにやってほしかったなぁ。
ただヒロインという役どころを考えると容保公でいいのか・・・はかなげだしな。

もっとビミョーなのが小雪さん。
この人自体は大変美しい女優だと思うのですが、なぜこの人。
ネタバレになるので詳しくは書きませんが、なぜこの人とあの俳優をキャスティングしたのかがわからない。
どうみても釣り合いが取れないにょろ。
それともこれからの後半をみればお似合いの2人になっているのかしら。
ただ、あのわざとらしすぎるドレスの数々はこのドラマ最大のミステリーですよ。
なぜただの顔見せに背中がグワッと空いたドレスをお召しになるのであろうか。
あんな格好をさせなくても小雪さんは十分美しいし、危うさと頼りなさとミステリアスな面も伝えられたと思うのですが。
原作ではあの女性はもっと清楚なのですが、このドラマではまるで魔女です。ブルブル。
小雪と綾野剛の役を交換すればいいと思う。
こちらのほうがビッタリだ。

冨永愛も美しいですね。
パリコレモデルの存在感はハンパないです。
最初にバー、ビクターズに現れたときのピリッとした緊張感と毛皮をまとった美しさといったらありませんでした。
セリフを喋らなければもっといい。

そのセリフですが、脚本が昔の、古き良き時代の綺麗な日本語で書かれているものの、女優さんたちがそれら昔の日本語を話せないというのが顕著で、見ていてツライです。
昔の日本語というのは、小津作品などで話されている日本語です。
ああいう綺麗な滑舌で、品のある言葉遣いを話せる女優さんがとても少なくなったとベテランの女優さんたちが話していました。
何も映画の中だけでなく、たとえばNHKアーカイブスなどで昭和40年代のドキュメンタリーを見ると、そこらへんのおばちゃんたちでさえマイクを向けられるとそれは綺麗な言葉遣いで話しているんですね。
自然に「さようでございますね」みたいな、今では皇室の方たちしか遣わないような言葉で話しているのでございます。
昔の日本人は民度が高かったんだなぁとしみじみしました。
親に対して敬語を使っていた時代よね・・・
私の周りの古き良き時代の人々は乱暴者ばかりですけどね、ええ・・・

あの時代を反映させるための台詞回しだとは思うのですが、無理に上品な日本語にしなくてもよかったのではないかと感じます。外見と内面が釣り合っていないみたいで、白ける。
花子とアンを見ていても無理があるなぁと感じてよ。
黄色い髪の妖怪はさすがね。誰よりも存在感があるわ。声だけであの存在感。パネェわ。

原作の小説はミステリーとしては結構どうでもいい内容でなので(悲しいが事実だ)、ドラマはこれからどう盛り上げていくのでしょうか。
まぁどちらも雰囲気を楽しむ作品だと思うので、ひたすら映像美を堪能しようと思います。


最後に、「長いお別れ」の大好きな文章をご紹介。
どちらも清水俊二訳です。

「ライムかレモンのジュースをジンとまぜて、砂糖とビターを入れれば、ギムレットができると思っている。ほんとのギムレットはジンとローズのライム・ジュースを半分ずつ、ほかには何も入れないんだ。マルティニなんかとてもかなわない」
グハーッ!

「ぼくは店をあけたばかりのバーが好きなんだ。店の中の空気がまだきれいで、冷たくて、何もかもぴかぴかに光っていて、バーテンがその晩の最初の一杯をふって、きれいなマットの上におき、折りたたんだ小さなナプキンをそえる。それをゆっくり味わう。静かなバーでの最初の静かな一杯──こんなすばらしい一杯はないぜ」
グハーッ!

「アルコールは恋愛のようなもんだね」と彼はいった。「最初のキスには魔力がある。二度目はずっとしたくなる。三度目はもう感激がない。それからは女の服を脱がせるだけだ」
グハーッ!

「君とのつきあいはこれで終わりだが、ここでさよならないいたくない。ほんとのさよならはもういってしまったんだ。
ほんとのさよならは悲しくて、さびしくて、切実なひびきを持っているはずだからね」
グハーッ!


ドラマはあと2回。終わってほしくないなぁと思いながらも早くラストが見たいです。

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