The Holy of Holies

ひたすら自分に優しい日記

感想デスよ!
しつこくてごめんなさいデスよ!!


みほとせの子守唄は不思議な舞台です・・・
最初、キャストに信康がいるのを見たとき、信康の自刃がメインになるんだろうな~と予想しました。
阿津賀志山みたいに、死んだはずなのに敵として甦らされるとか、幕末みたいに刀剣たちがどうしても殺さざるを得なくなる、というような。
ところが舞台はそのどちらでもなく、自刃絡みの戦いはあったものの、それほど印象に残らない。(私だけかもしれないが)
ストーリーも、
「刀剣男士たちが、殺された家臣になって家康を育て、揺りかごから墓場まで見守りました。ねんころりん」
という、地味で平坦なものです。
過去2作のような激しさもない。ほんとに見守って子守唄歌っているだけなんですよ。
それなのに、この嵐のような感動はなぜゆえ。
たぶん、見守って子守唄歌っているだけってのがよかったのだろうな~。

刀剣男士たちも、家康を育てること、育てたことについての思いを語りあうという芝居がないのですよね。
その部分が「かざぐるま」と「瑠璃色の空」という歌に集約されつつ、やはり詩は彼らの思いについては書かれていない。(曲のタイトルは未確認なので違っているかもしれません)

この舞台にはさまざまな余白があって、見る者の知識と想像に委ねてくるのであります。
刀剣男士たちが家康をはじめとする人間たちと関わることを見せて、その時々の思いを想像させていきながら、ラストの大感動までひっぱっていく演出と、俳優陣の演技+歌唱力に壮絶ブラボーです。

好きなシーンのひとつに、家康がちっちゃなころから元服までの10年くらいかな、その歳月を「かざぐるま」という歌をBGMに見せていくシーンがあります。
物吉(鳥居元忠)と青江(酒井忠次)が剣術や手習いを教えていたりするところを、石切丸、蜻蛉切、大倶利伽羅が見守っているというシーンです。
歌は石切丸たち3人が歌っていまして、このときの石切丸の表情がたまらなかった。
かぎりなく美しくて優しい表情とまなざし。
刀剣たちにとっては人間の10年などあっという間なのでしょうが、子供を見守る歳月というものは、時間の数字では計れない、かけがえのないものに違いないのだろうな、とか、そんな想像ができました。
蜻蛉切は父親のようだったし、伽羅ちゃんは関わりたくないけど見守られずにはいられないみたいな感じで、そこがよし。

家康を看取りにきたシーンもよいのです。
話すのは家康と物吉だけで(途中から信康が会話に加わりましたが)、ほかの5人はひと言も話さないし、ほぼ動かない。
家康に挨拶すると、あとは控えているだけなのです。
動かない。
でも思いが伝わってくる(´;ω;`)
何も話さなくても、ともに過ごした年月と、家康への思いがあふれんばかりに伝わってくるのであります。
代わりに物吉くんが滂沱の涙を流していて、何も言わない5人は物吉くんも見守っているんだな~と思い、そこに涙。
家康が旅立ってしまって悲嘆に暮れる物吉くんに、「笑いなよ」と声をかける青江にも感動。
辛いとき悲しいときこそ笑顔になろうということを教えてくれた物吉くんに、今度は青江が「笑いなよ」と声をかけるのですね・・・

そしてラストが感慨深くて感極まります。
すべてが終わったあと、6人して「瑠璃色の空」を歌うのですが、感無量でした。
瑠璃色の空とは、夜明け前の空のことを指しているらしい。
「明けるための夜」という歌詞があって、この一節にいろいろな思いが重なります。

6人は家康と過ごした、長くも短くもあっただろう歳月を懐かしんでいるようでもあり、
家康を育て上げ、太平の世の礎を築いたことに関われたこと、歴史を守ったことに、ささやかな誇らしさを感じているふうでもあり、
任務を終えて安堵しているふうでもあり、
赤ん坊を育てるという未知の経験がもたらしてくれた、さまざまな出来事へ感謝の年を抱いているようでもあり、
そしてもうその子がいないこと、看取ったことの言い知れぬ淋しさ、
人間と、めまぐるしく変遷した時代に関わり、
人間の心に触れたとことで生まれ感情を抱えながら夜明けを見つめているという、
なんというか、6人は最後に希望みたいなものが芽生えたんじゃないかな、とか、いろいろいろいろ感じながら子守唄を聴いておりました。

私はやっぱり家康親子と刀剣男士たちのあいだに通った情愛に感動したな。

家康と関わったことで大きく変わったのは、村正と伽羅ちゃんですよね。
伽羅ちゃんはよかったデスよ。
ラストの寸前、石切丸が忘れていった書き付けを見つけ、読む伽羅ちゃんがいい・・・
ここで初めて伽羅ちゃんが笑うのな。
その笑顔の素晴らしいことといったらあーた、デビと徹子がむこう20年くらいしゃべり続けてもおかしくないほどステキな笑顔だったわよ。
しかし笑顔はすぐひっこみ、いつものこんな(´・ω・`)顔に戻ってしまう。
書き付けを読んで、吾兵のこととか家康の最期とか思い出したのかもしれない。
それとも、思わず笑ってしまったことに対して冷静になり、1人ツッコミをしたのかもしれん。
どちらにせよ感情が豊になったらしい。

伽羅ちゃんも村正も、家康の純粋な心に触れて変わっていったのですよね。
家康というか、人間か。
今回の人間キャストは人間の持つ美しい心とか、素直さとか純粋さ、加えて儚さの象徴だったな。
村正が井伊直政としてみんなの前に現れたときが、めちゃくちゃかわいかった。
村正よかったなー。
DQで健気で可愛いくてエロい。最高かよ・・・・

石切丸は主から今回の任務を聞いたとき、それほど重い任務とは考えていなかったのではないでしょうか。
服部半蔵となって信康の介錯人となる、というのは確かに重大な使命ですが、、時期が来たら可哀相だけれど史実通り刀を振るうだけだ、歴史を正しく軌道修正しなければならない、くらいに思っていたんだろうな~と。
私情は私情として、きちんとビジネスライクに徹するのみだと。
御神刀として民の近くにいたが、それはそれ。あくまで人間は上から見守る存在、みたいな。
それが赤子の家康を育て、その子の息子、信康も育て、とくに信康から慕われるようになると、今までの関わり方とはまるで違ってきたのだろうなと推察。
それは他の刀剣たちも同じだったのでありましょう。
彼らは武器で、人間を斬るのは当たり前なのに(実際斬ったことのあるなしは別として)、「斬れない!」とギャーギャー全員で深刻に悩みまくるというこの変わりよう。
まるで人間ですわ。

人間ぽくなるというより、感情が芽生えていったというやつですね。
感情は肉体がないと生まれないものですからね。脳と心臓がないと、精神と心は生まれないらしい。
1人の人間の一生に関わったことで彼らはたくさんの感情が生まれた。
悲しい思いもしたけれど、それすら宝物になったんじゃないのかな・・・
綺麗な夜明けを見ながら、ねんころりんと歌う表情がみんな穏やかで晴れやかで、そこに感動した。
悲しそうでなくてよかった。

全編通して過剰な演出が一切ないのです。
家康との関係も、こちらに想像させるんですよね。
感情はあまりセリフにせず、オール大倶利伽羅仕様の演出でした。
無駄に喋ってクネクネする村正も、肝心な心情の推移はほぼ語らなかったし。

終わったときも「これで終わりかー」だったのに、あとから思い出すにつれ感動が倍率ドン! さらに倍!
もう1度見るドン! 感動ドンドンドン!! といったぐあいで、あとからあとから感動が怒濤のごとく押し寄せてきてきました。
演出家の茅野さんが「何度でも見たくなる舞台になっている」と言っていた通りでした。

人と刀剣とのふれあいに大変心を震わせていただきました。


だんだん何が書きたいのかよくわからなくなってきたので、ここら辺で一旦切ります。
次こそはキャラについて吼えたい。
ヤベェ、パネェの二言で終わるのだが。


以下は拍手御礼でございます。
ありがとうございます。
そして御礼が遅くなりましたこと、申し訳ありませぬ(>ω<、)

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